国際収支統計から日本経済を理解する

為替の行方なんかもイメージできます

日本経済の動向や今後の為替の動きについて気になった時、僕は経常収支や貿易収支を参考にします。人口減少で内需の増加が期待できない今、海外で稼ぐしかないのかなと単純に思うからです。

これら収支は全体で国際収支統計と呼ばれますが、トリッキーな部分もあり理解が難しいので整理してみました。

国際収支統計とは

簡単に言うと日本から海外へ出ていくお金と入ってくるお金の収支(差額)を集計したものです。あくまで出銭・入銭の動きを集計したもので、損益を表すものでは無く、赤字・黒字で良し悪しは語れません。

もともとは国際通貨基金(IMF)が統計の基準を定義しており、現在は第6版となっています。日本では、財務大臣の委任を受けて日本銀行(日銀)が集計し財務省と共同で発表しています。なので日銀、財務省、それぞれのホームページで情報が得られます(情報もそれぞれ)。

国際収支の構成

国際収支の項目を下記に示します。

財務省ホームページ情報から自作

国際収支はバランスする

国際収支統計では下記の式により全体の収支が均衡するルールになっています。

経常収支 + 資本移転等収支 + 誤差脱漏 = 金融収支

誤差脱漏は実際は結構な額ですが理想は0で、資本移転等収支は少額なので無視すると、ほぼほぼ経常収支と金融収支がバランスする形となります。

日本で言えば、経常収支の貿易収支や第一次所得の黒字分を金融収支の海外直接投資、証券投資や外貨準備の形で循環または蓄積している形になります。

2014年から構成・名称が変わっている

国際収支統計は2013年ま第5版で運用されており、その頃は下記の式で均衡が定義されていました。

経常収支 + 資本収支 + 外貨準備 + 誤差脱漏 = 0

この用語の方がなじみのある方も多いのではないでしょうか。旧統計では、資本収支として海外への投資などが勘定されていましたが、海外へ投資すると資金が流出するのでマイナスの計上でした(キャッシュフロー計算書と同じ考え)。

新統計ではこの部分は金融収支となり、資産が増える場合にはプラスという事に変更になっています。

日本における国際収支の読み方について

貿易収支は昨年は黒字でしたがやはり円安の効果でしょうか。貿易赤字になるとニュースで騒がれますが、輸出額が減少傾向だとしても、第一次所得収支が伸びており経常収支黒字に貢献しています。

これは日本で製造して輸出するのではなく、海外への直截投資によって海外生産・販売をする産業構造の変化を反映しており、これからは貿易収支のみよりも経常収支で見た方がよいかと思います。

サービス収支は解り易い例で言うと、海外旅行へ行った日本人と、日本へ旅行に来た外国人の、それぞれ使ったお金の差額が計上されます。日本はずっとサービス収支が赤字でしたが、最近はインバウンド効果もあってか赤字額が縮小傾向です。

金融収支の直接投資は例えば海外へ支社を設立した時にかかった投資額などが計上されます。その結果、その海外子会社が収益を上げて日本の本社へ配当や利子などを還元すると第一次所得収支となります。日本はこの直接投資による第一次所得が増加しています。

第二次所得収支と資本移転等収支はともに「対価を伴わない」とありますので差が解りづらいですが、第二次所得収支は寄付などの金銭の授受、資本移転等収支は、例えばODAなどの活動で海外へ道路や橋など建設(固定資産の形成を)した場合に計上されるようです。どちらも額としては大きくないのであまり注視する必要はないかと思います。

冒頭に触れました為替への影響ですが、簡単にいうと経常収支の黒字が増えると円高圧力になると理解しています(収支プラスの分だけ外貨→円への変換が大きい)。

一方、金融収支が増える(海外投資が活発)であるとその逆になるかと思います。円高が進むと(円を売って)外貨準備を増やし調整する行為も、つまり金融収支をプラスに向ける事なので辻褄が合うかと思います。

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